もうひとつの代表型“三才”

さらに理解を深めるために玄制流を代表する祝嶺正献氏の名作
“三才”という型を紹介しよう。
“三才”の型では常に相手の攻撃に対して体を捌き、接近し、心理的に相手を誘導・牽制する。また意表を衝き、単に平面での動きではなく、跳躍あるいは地に伏せる。一言で言えば、非常に実戦的な局面、相手の心理面までを想定した修錬を要求していることが特徴だ。
さらには、前面の相手に対し、追い込んでから左貫手で行くと見せかけ、瞬時に反転。背後の相手に放つ旋体右貫手−−というような貫手・肘当て・逆取り・裏拳・裏突き・合拳突きなど、空手の生み出した技の全てが表現されている。またあらゆる局面で、連続技として身に付けられるよう構成されていることも特徴と言えよう。

◎型

◎分解















次は観空(大)の一部(H〜M)を他の流派と比較し、玄制流の形に迫ってみよう。松濤館では、後から突いてきたもの右手でよける(Z)と定義されているが、玄制流では、前方より放たれる前蹴りを体を捌き、反撃に移るとしている(’H〜’M−2)。実戦を想定した結果であるという。