昨今、すぐキレる子供が増えている。すぐキレるというのは、つまりこらえ性がないということ。何事にも我慢ができない、耐えることができない。すぐに沸騰点に達してしまうということである。
 校内暴力、家庭内暴力、そして街頭での暴力の件数はこの所、年を追って増えている。しかもその凶悪化、低年齢化は現行少年法ではほとんど対応できなくなっているのが現状である。原因は何か?言うまでもなく家庭における教育力の低下であり、政治の無能、行政の無策、そして社会全体の無責任、無関心、事勿れ主義のよって来る結果というしかない。もとを正せば、戦後50年の日教組教育の成果であり、それを許した文部行政の定見無き無責任さの結果であることは何人も否定しないであろう。
 教育ほど、重要なものはない。しかもその成果を問うには長年月を要し、しかも失敗と解った時は取り返しがつかない。
 それがとりも直さず、現在の我が国の情けない姿である。しかし今、そのことを嘆き他を責めてみても仕方がない。
 今、私達子を持つ親がその立場を自覚し、危機感を持って子育てに取り組むしかない。
 そして今、必要なことは、子供達に我慢すること、耐えることを教えることである。
 そもそも世の中は、何事によらず自分の思うようにならないことばかりである。
 人格が未完成な子供は、人間の形はしていても、本質的には動物である。
 だからこそ、親は意識して子供の欲望を管理すべきであり、たとえば食事である。
 子供が「これは嫌」と言った時、「じゃあ、これはどう」と別の物を出してやるというようなことは絶対にしてはならない。
 何故なら、それでは際限が無くなるからであり、子供の我が侭を増長することになり、且つ偏食のもとになる。
 我が家では、子供の幼少時、そういう場合、妻はだまってその料理を取り上げてしまい、代わりは無しとした。しかも次の食事まで一切無しである。因みに、我が家では間食も無しである。子供が泣こうが喚こうが、一度引っ込めたら断じて出さない。育ち盛りの子供は、空腹が一番辛い。従って、我が家ではそういう事態は二度と起きないことになる。更に言えば副次的効果として子供達がほとんど何でも喰べる。
 即ち偏食がないことと、もうひとつ、母の料理に感謝する、「これはおいしいね」と素直に言えることである。
 何によらず、子供が欲しがる物を欲しがるだけ与えることは、結局その子供を駄目にするだけだということを知るべきである。
 欲しがる物の必需性と、与えるタイミング。たとえば誕生日、クリスマス、お正月というように定めておくと良いだろうか。